おやすみ世界

すぐ忘れるアラサー備忘録。忘れないように、こんな事あったなぁと思い出した事をつらつらと書いております。

ハワイで迷子になった話。

私はハワイが大好きだ。


と、言うと物凄くハワイ通で毎年行っててハワイアンジュエリーの事をハワジュとか言っちゃったりする人間に聞こえるかもしれないけど、そういう事では決して無い。


ハワイに行ったのは人生で5回。その内ちゃんと大人になって行ったのは2回。最後に行ったのは3年ほど前だ。

ハワイ行きたいよ〜〜〜っていつも言ってるけど行きたいから行ける距離じゃないし、そんなお金はどこを探しても無いのである。

単純につらい。大人ってハワイに簡単に行ける人の事じゃないの?は?


その程度ではあるけどやっぱりハワイは大好きで、ワイキキ周辺ならなんとなーくそれなりに余裕ぶっこいて歩いちゃうよ?って感じなのである。とにかくそんな感じなのである。


しかしその謎の余裕のせいで迷子になった話。


3年前のハワイ旅行、確か帰国の前日。

私は一緒に行った仲間と離れ1人で行動していた。

お土産調達にラストスパートをかけていた。


ワイキキ周辺のお土産屋さんをせかせかと周り、親戚の子供用のムームー(ハワイのワンピース)を血眼になって探していた。


勿論英語なんて話せないし、ドルやセントについてもよく分かってないので、買い物する度にレジに居る恰幅のいいおばちゃんの前で有り金を広げ、「必要な分取って!」とジェスチャーで伝える賢めなチンパンジーみたいな戦法を取っていた。

ボラれてても文句は言えない。いいの。英語分かんないから。


ちなみにこの戦法は、うちの職場によく来るおばあちゃんが「小銭よく見えないから取って!」とお会計時に毎回やっているのを見てパクりました。


そんな事をしながらふと辺りを見渡すと、

え??????なに????ここどこ????

ってなった。


突然。本当にそれはもう突然。さっきまでメチャクチャ居たはずの日本人が全然居ない。

海めっちゃ綺麗。でもびっくりするくらいここどこ。


恋人も居ないのに調子に乗ってイヤホンでKREVAのイッサイガッサイ縦揺れで聴いてたからだろうか。

自分が思ってたよりだいぶ歩いてしまっていた。


私は瞬間で涙目になった。お母さんの顔が浮かんだ。

ちなみにうちの母はお菓子のラングドシャの事をラングド社という車かなんかの会社だと思っていた天然おちゃめマザーである。可愛い。


日本人を見つけよう。

本能がそう叫び辺りを見渡すもマジで全然日本人居ない。


それどころか肩に蝶々だかお花だかのタトゥーが入った現地のお姉さんがタバコ吸ってる。

え?ハワイって路上喫煙ダメだよね?外での飲酒もだめじゃなかったっけ?

そんなバチバチ地元の人間感出てるファンキーなお姉さんが目に入った事でさらにパニックになった。


今思えば少し遠くまで歩いて路地に入っちゃったくらいで、そこが天下の観光地ワイキキである事には間違い無いし、

落ち着いて道を辿ればきっと日本人ワンサカな場所に戻れたんだろうけど、人間パニックなったらそんな思考回路はショートする。

思考回路はショート寸前っていうかバキバキにショートしてた。


子供だったら泣いちゃえば良いんだけど、大人になると地味なプライドが邪魔して泣き出すまでは出来ない。(涙目だけどね)

だからといってもう動く事も出来ず私はそこで呆然としていた。

2〜3歩うろうろ動いて元居た位置に戻るという奇行を繰り返していた。


可哀想すぎない?

思い出したら不安になって涙出てきた。


ほら、なんか地元のいかついお兄さん出てきたしみんなこっち見てる!!!!(見てない)

見ないでよ!!!迷ってなんかないんだから!!!!(大人のプライド)


ポケットWi-Fi今持ってないからグーグルアース開けない。もうダメだ。聞くしかない。あのタトゥーのお姉さんに聞くしかない。


私は頭の中でニューホライズンを取り出した。あったはず。道を聞くレッスンがあったはず。


………OK。男の子がKenって事しか思い出せない。全然ワカンネ。余裕で詰んだ。


私は割と本気で、もうここから帰れないのかもなと腹を括った。

大好きなハワイだし、海も近いし、その内ネイティヴに英語話せるようになれるなら一石二鳥じゃない?と唯一の取り柄であるポジティブが顔を覗かせ始めていた。

色々とバカすぎる。


「ね!そろそろ一旦ホテル戻ろうよ!」


日本語おおおおおおおおお!!!!!!


たまたま。本当にたまたま日本人の女性2人組みがひょっこり曲がり角から現れた。


日本帰りたいよおおおお!!!!日本が1番だよおおお!!!!なめろうと日本酒で一杯やりたいよおおおおお!!!!


さっきまでハワイで暮らす決意を固め始めていたのにもう日本に帰れる嬉しさで満ち溢れていた。

その後はその女性2人組の後ろにピッタリと付いて歩いた。帰れるのが嬉しくて私はニヤニヤしてた。

救いの女神達には3度ほど「何この人」という顔で振り返って警戒された。ごめんなさい。


15分程歩くと中心地へ戻れた。マジで私どこに居たんだろ。

中心地に出た途端、別に私迷ってたわけじゃ無いですって顔して女神達から離れた。

仲間と合流した後も恥ずかしくて迷った事は言わなかった。

大人のプライドって本当にいらんですわ…


ハワイに行った事がある人と出会うとこの話をしてみるのだけれど、どこでどう迷っていたのか分からないと言われる。

勿論私も未だ分からない。


なんかもう時空の歪みにハマったという事で片付けている。という事はあの女神達は時空のおっさんという事になる。最高かよ。


私はやっぱりハワイが大好きだ。